合同会社TOKZUMの中核サービスである「新事業インキュベーション」を展開する上で、弊社は人々が根本的に求める欲求(Lifestyle&Well-Being)と先端テクノロジー、社会課題解決の三つの観点から妄想していくことを最も重要視しています。

本日は人々の根本的な欲求である”美”についての考察を共有させて頂きますね。

人間の欲求と言えば「マズローの欲求五段階説」が有名ですね。心理学者であるアブラハム・マズローが「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生きものである」と仮定し、人間の欲求を5段階に理論化したものです。釈迦に説法ですが、「①生理的な欲求」に始まり、「②安全欲求」、「③社会的欲求」、「④承認欲求」と続き、最終段階が「⑤自己実現欲求」です。マズローは最初の4欲求を”欠乏欲求”とまとめ、最後の自己実現欲求を”存在欲求”とまとめています

実はマズローの『人間性の心理学』では、5つの欲求に加えて「認知の欲求」と「審美的欲求」という2つも解説されています。7つの欲求を段階的に整理されてはいませんが、内容的に”欠乏欲求”と”存在欲求”の間に位置しているようにも思われます。
今回のテーマである”美”というのはまさに「審美的欲求」に該当する欲求だと思います。

この「審美的欲求」は人間だけが持つと言われているんですが、なぜでしょうかね?
弊社では「人間は”人工物”というものを産み出し、ありのままの自然に従わずに環境をコントロールできるから」だと捉えています。一般的な対比として”自然”と”文化・人工”という軸が使われますが、まさにこのような軸を掲げうるのは人間だけだと思うのです。これまでは都市や製品など”人工物”に調和が取れた美しさを追求してきましたが、デジタルの世界が拡張される中で、写真を加工するなど現実の自分を”盛る”ような文化も生み出されてきています。

それではこの先の技術革新テーマである”AR”と掛け合わせるとどのようなことが考えられるでしょうか?

弊社では「自分自身が美しいと感じる世界を生きる」という流れが進むのではないかと妄想しています。この”AR”という技術は端的に言うと”視覚を個別に調整できる”ものです。
人々の”美しさ”の価値観はそれぞれ異なっていますが、それぞれの価値観を共存させることができればデジタルの世界で行われている”加工”がリアルの世界でも実現できます。

 「リアル社会全てをモニター化するように、
  人間が持つ”美”という欲求でコントールする社会。」

そんな未来における都市やサービスはどんなものが求められているんでしょうね。